アーカイブ: 2011 年 4 月

「はなとオブジェ」明日からです!

いよいよ明日からゴールデンウィークが始まりますね!ARAHABAKIは明日で二周年の記念の日を迎えます。2009年のオープニングから、この季節には趣向を凝らした企画展を催してまいりました。2009年「しこく展」、2010年はバージョンアップした「そとごはんのすすめII」をお届けしました。三年目へ突入する明日からは「はなとオブジェ」を開催いたします。

初日の明日は、川井有紗さんを招いてのワークショップ「宝物を見つけて首飾りをつくる」を行います。お子さん連れの方も多く、きっと賑やかで気持ちの良い集いになると思います。

まだまだ震災の余波も感じる時ではありますが、葉山まで足を運んでいただいて、美しいものを触ったり選んだりする喜びを感じていただけると嬉しいです。バス停からお店までの道すがらにも、小さな幸せをたくさん見つけることができると思います。

作品の到着がぎりぎりだった作家の方は、まだご紹介できていませんが、展示期間中に写真を撮ってお知らせしたいと思っています。素晴らしい作品が勢揃いしておりますので、どうぞご期待ください!

みなさまのご来店を心よりお待ちしております。


ARAHABAKIの看板が新しくなりました。

2009年のオープン以来、展示期間中のみ営業するスタイルをとっておりますARAHABAKIは、もうすぐ二周年を迎えます。ここまで続けてこられたのも、ひとえに応援してくださったみなさま、ご賛同いただいた作家さんたちのお陰と心より感謝しております。

たまにしか開いていない店ゆえ、わざわざご来店いただいたのに「閉まっていた。。」ことがあったかと思います。大変申し訳ありませんでした。次回、お会いした際にはおまけを差し上げたい気分ですので、遠慮なく教えてくださいね。

ラストの急な坂道を上がって来て閉まっていては本当に申し訳ないので、お店が開いている日は坂道の入口に看板を出しています。この度、小沢敦志さんに制作していただいた新しい看板が出来上がりましたので、ご紹介いたしますね。このように取り外しが可能な鉄製の看板です。オープン以来使ってきた木の看板は、さながら三匹の子豚のワラの家の様に雨風で吹き飛ばされそうでしたが(笑)、新しい看板はかなり立派で丈夫になりました。この看板が出ている日は、間違いなくお店を営業している合図ですので、どうぞお見知りおきください。

この様にぴったりと美しく納まっております。右肩上がりの→は、急な坂道の角度に沿っております。
ちょっと息が切れる坂道を上りきったところがARAHABAKIです。

看板の作者登場。小沢敦志さんです。坂の多い地形と難しいリクエストに見事に応えてくださいました。
小沢さん、有り難う!大切にしますからね〜。

坂を上がって緑がもしゃもしゃ生えている右側にお店があります。茶色の箱のような家です。
むむっ!この何の違和感も無く、あたかもずっとこの場所で時を刻んできたかのような佇まい。
この看板も小沢さんに作っていただきました。
実はかなり傾斜のきつい地面に設置しているのですが、ナイスアイデアで克服しております。

「ぬくもりのある鉄肌」
小沢さんが表現された言葉通りの質感です。
今後の経年変化も楽しみ。

小沢敦志さんには、金曜日から始まる「はなとオブジェ」にも参加いただいています。
写真は、ライフワークでもある鉄製品を叩いて制作した花台。
冷たくて堅い素材から生み出される独特な造形美です。
この他にも小沢さんが考える「はなとオブジェ」がご覧いただけますので、どうぞご期待ください。


横内みえさんの「はなとオブジェ」

気づけば、もう今週の4月29日(金・祝)より始まる企画展「はなとオブジェ」。まだ準備が出来てない。。。でも、参加作家さんはじっくりとご紹介しますね。これも楽しみのひとつなのです。

本日は、現在北海道にて制作をされている、漆作家の横内みえさんの作品をご紹介いたします。
お会いしに行くのが楽しみでしたが、今回は北海道に行けず(スキーしたかったなあ)。。。が、横内さんは作家活動を関東圏内に移される予定で、5月にパートナーと一緒に山梨へ!ぜひぜひ遊びに伺いますね。畑仕事をしつつ(みえさんもしますよね?)作品作り。自然との共生の中で生まれるもの、期待しています。

横内さんの作品との出会いは曖昧なものでした。以前、金沢21世紀美術館に遊びに行った時に、偶然みた作品がきっかけだと思う。金沢卯辰山工芸工房の関連展示がしており、その中になんとも丹精な造りで、小さな種がちりばめられた様なディスプレイのオブジェ達に目が釘付け。ぐっと惹かれました。以下のような作品達だった。

しかし、その展示のパンフをもらい忘れ、作家のお名前を失念。いつも通りにやらかしてしまいました。。。でも縁があったのでしょう。北海道の木工作家さんを調べているとき、偶然に発見!

ついに、心をつかまれた作品を、手のひらにのせることが出来ました。人生何があるか分かりませんね〜。

質感、色、大きさ、どれとして同じ物がありません。微妙に穴が上に向いていたり、完全にそっぽを向くように横に倒れていたり。乾漆で作られた、とても自由なかたち。何個か転がしてみると、人の手で作られたものなのに、自然の中にある落ち物の植物のような、違和感のない佇まい。でも何か不思議。
中に土を少し入れてみて、発芽したばかりの小さな命を入れてみたいかな。

横内さん、種の作品だけでもお腹いっぱいな感じですが、いろいろ作品を送ってくださいました。
次は、涙ような雫のかたちをした花器?オブジェ?。朴に漆を施したもの。曲線が微妙に違い、それぞれに個性があります。

口は小さくとても繊細。水入れが難しいので、面白い小枝などドライフラワー向けに。

こちらは、乾漆で作られた小振りな花入れ。色々なかたちと柄がございます。
お気に入りの場所へオブジェのように置いたり、水の入れ替えもしやすいので、季節ごとにいろいろな草花を楽しんでいただければ。

繊細で味わい深い、側面の装飾。こちらの作品は、卵の殻などが使われています。上部には繊細なラインが入っており、全体的なフォルムとあわさりモダンな雰囲気。

最後に、やや大振りな花入れ。ぱっと見た感じ、土ものっぽいのですが持ってみると軽くて、こちらも不思議な感じ。材はトチを使っています。

内側は、しっかりと漆が塗ってあります。渋く赤い口もと、上部は使い古された鉄のような、側面はクレヨン描きのような。

感性と技術のみでかたちを作り出すのではなく、何か命が吹き込まれているような、生命感溢れる雰囲気のある作品を生み出す、横内さん。ぜひ、展示期間中はじっくりと作品に触れてみてくださいね。

また、今回ご紹介した作品以外にも、追加で作品が届く予定なので、そちらもお楽しみに。


西山芳浩さんの工房へ

本日は、金沢在住のガラス作家 西山芳浩さんの工房へお邪魔したときのお話です。西山さんとも嬉しいご縁があり「はなとオブジェ」に参加いただくことになりました。写真はゆったりとした時間が流れるアトリエでの風景。自然光の中で眩く佇む作品の美しさに、時を忘れて見入ってしまいます。

西山さんは、現在二つの工房で制作されているそうですが、この日は金沢市牧山ガラス工房でお仕事の日でした。金沢の街から適度に離れており、周囲には自然が溢れ、風通し良く明るい空気が流れている場所です。この気持ちいい雰囲気は何だろう?と思っていたら、元は小学校だったとのこと。ほんとだ。入口の向こうには小振りなグラウンドがありました。

トーテムポール型の学校表札。一人一人自分の顔を彫ったんだろうな。小さな学校だったんだね。

小学校と言えば二宮金次郎さんですよね。ちゃんといらっしゃいました。

建物の中は小学校の校舎を活かしたアトリエ棟と、立派な設備が備えられた工房棟があります。
電気炉や徐冷炉など設備について丁寧に説明してくれた西山さん。
研磨専用の別室も窓越しに拝見させていただきました。
天井が高く、明るくて開放的な工房が、西山さんはとても気に入っているそうです。

工房オリエンテーリングの最後に「面白い所を見せてあげますよ」と西山さんに案内されたのは、
体育館でした!
天井が木梁なんですよ。この床がワックスでピカピカな感じ。懐かしいですね。
立派な工房とレトロな施設の共存です。

さて、楽しい工房見学を終えて西山さんのアトリエに入りましたよ。

柔らかくて優しい語り調の西山さんとは同じ四国出身(西山さんは愛媛のお生まれ)としても打ち解けてお話できました。夫と一緒に車を走らせお伺いしたのが、3月の末。あの震災と収束の糸口すら見つからない原発への不安がピークだった頃でしたが、気持ち良い空気と西山さんのお人柄、そして作品と触れ合う中で、緊張していた心が「すぅ〜」と癒されていくのを体で感じました。

八角形のビン。ゆらゆらとした肌合い。
西山さんが一つ一つ息を吹き込むそれぞれに表情があります。

モール小鉢。
光を受けてきらめきます。

一目惚れしたグラス。
このグラスの為に制作した鉄型を見せていただき感動!
旋盤を使って鉄板をカットし、自ら溶接して仕上げたのだそう。
どことなく、しのぎの間隔が不均一なのも、狙って出来るものではないようです。

西山さんの制作工程は、このような道具を作ったり、実際にガラスを吹いてサンプルを制作する中で
徐々に理想の形へ近づけて行くそうです。
頭で考えるより手を動かしてみる。西山さんのもの作りへ込める情熱を垣間見た瞬間でした。

ガラスの角ビン。いろいろ。
西山さんから作り出されるガラスには物語を感じます。

横に並べてみましたよ。みんな違ってみんないいのです。

ご自身の感覚を大切に、心からガラス制作を楽しむ姿が印象的だった西山芳浩さん。

「はなとオブジェ」では、ご紹介したビンを中心に新作の花入れ、
そして定番の器も届けてくださる予定です。
どうぞご期待ください!


成瀬彩さんの工房へ

本日は4月末より始まる展示「はなとオブジェ」にも参加頂いている、成瀬彩さんの工房兼お住まいにお邪魔した時のお話です。
最近まであらはばきより車で30分程のご近所さんでしたが、テント内での作品作り(!)が難しく、下町風情が残る東京の大森にお引っ越しされました。周りには町工場が点在し、懐かしいバッティングセンターに銭湯、往来するおじいちゃんや小学生。時間があれば撮影散歩をしたかったですが、さっそく成瀬さんの工房へ。


到着して笑顔で迎えてくれた、成瀬さん。雰囲気も自然体で素敵な方。
今回は会えなく残念でしたが、同じく木工をしていた旦那さんも、とても笑顔が素敵。
やっぱり夫婦は年を重ねると似てくるのかなあ。
ちょっと作業風景を撮らせてもらいました。かわって、凛々しい横顔。


愛猫ジョゼさんも登場。
カツオブシの違いが判る、5才、男盛り。
成瀬家では3匹居候中のようです。


絵になる作業台。和三盆の木型のような壁掛けを作成中。
小振りながらも、使い勝手のよい広さで、作業が捗りそうな工房。材や道具がいっぱい。


何故か?逆さにつった小さなロッキングチェア。とても丁寧な造り。


ふとん叩きもありました。なるほど〜このように作っていたのですね。
お客さんの意見も取り入れ、何回も改良を重ねているそうです。

いちごとお茶をごちそうになりながら、成瀬さんの作品について、あれこれお話。
現在、食に関する作品と、オブジェと花器を制作中とのこと。
ちらりと見せてもらった木鉢、素敵でした。うつわ、今後の展開を期待していますね。
4月末に届く成瀬さんの「はなとオブジェ」をちょこっとご紹介。


まずは、小振りなブローチ。
定番品よりも小さく、サイズ的に使いやすそう。ぜひ胸元に。
躍動感のある走るウサギ、意外に珍しいかも。
赤茶色の作品は、漆にマコモ(ハナガツミ)を練り込んだものを塗っているそうです。


つぎは、手のひらサイズの小さな花入れ。
サイズといい、質感としのぎのラインといい、種っぽいというか、多肉植物っぽい。
植物に草花を入れるようで、おもしろくなりそう。


制作過程はこんな感じ。


最後に、今回の企画展のテーマに、ピッタリな作品。
中性的で、なんともユーモラスな体型の人物。小ビンを抱えています。
一輪挿しにしたり。小ビンを外して草花を集めて差したり。いろいろ楽しめそう。
私たちが「成瀬さんの作品がいいなあ!」と思ったのは、人形のオブジェからでした。
なので、個人的に欲しいと感じる、思い通りな出来映えでとても嬉しい。


制作前のスケッチも良い感じ。


この小顔と佇まい、いいでしょ。成瀬さんにしか作れません。
単身飛騨へ向かい修行する以前。美大に進むべきか迷っていた時の感覚の名残りでしょうか。
いえいえ。作品に手でふれて、形とのみ跡を指でなぞってみると、
優しさときりりと澄んだ造形感覚が垣間みられ、テクニックではない、もって生まれたものだと感じます。
ぜひぜひ展示中は、見るだけではなく手に取り、成瀬さんの人柄と所懐を作品から感じとってみてください。

最後に。展示期間中は、成瀬彩さんの定番商品も常設スペースにてご紹介しています。
箸、箸置き、小箱、布団たたきなど。あわせてお楽しみに。


大西美代子( MIYOKO ONISHI )さんの「はなとオブジェ」

4月29日(金・祝)より始まる企画展「はなとオブジェ」に向けて、参加作家の紹介をしてまいります。本日は陶作家 大西美代子(MIYOKO ONISHI)さんの作品をご覧いただきます。写真は3月の始めに、鎌倉のご自宅兼アトリエへお伺いした際に撮影したものです。柔らかな春の日差しが溢れるリビングに並べられた、小さな花入れや器たち。なんとも心和む光景です。

愛知県豊田市で生まれ育った大西さんは、小さい頃からご両親に連れられて地元の焼き物市などに通ううちに、自然と器そのものに惹かれていったそうです。瀬戸の窯業高等技術専門校で技術を習得された後、結婚を機にイギリスへ。制作の拠点をロンドンとして4年間活動。現在2才の娘さんを出産するタイミングで日本へ戻り、鎌倉にて再び制作を開始されたばかりです。

ですが、活動の拠点は再びイギリスになりそうです。何と「はなとオブジェ」の展示が終了した後に、ご主人のお仕事の都合で再び渡英されることになったのです。大西美代子さんの、これからの日本での活動を楽しみにしていただけに、とても淋しい想いはありますが、再びイギリスへ渡った後も応援したいと思います。

それでは。大西美代子さんの作品をご覧ください。

ぷっくりと柔らかなフォルムの花入れ。表面の質感も美しいです。

糸巻きの形をした花入れ。口のザラザラした所は貝殻を使って表現されています。おもしろい。

せいたかノッポの糸巻きさんもいますよ。

たまごの殻を割ってヒナが生まれた後みたいですね。優しいかたちです。

こちらも、このように木の実や花をあしらうための器です。光沢のある肌合いもきれいですね。

地層のようにじんわりと滲む色の濃淡が美しいカップ。

カップの口の部分。意外にも口当たりがよいのだそうです。素敵です。

横一列に陳列された花入れたち。
一つ一つ表情が違うのですが、連続する繋がりを意識して見て欲しいそうです。

連続する繋がりは、ハンギングオブジェとして一つの作品にもなっています。いい音がするのですよ。

作品が到着する前に、大西さんから届いた素敵なブック。新しく作品を考えるときには、いつもこのようなブッグを作るのだそうです。展示の際には作品とともに置いておきますので見てみてくださいね。

どの作品にも表情があって、写真ではお伝えしきれません。実物は もっともっと味がありますので、ぜひぜひお手にとってご覧いただきたいです。

大西美代子さんの「はなとオブジェ」どうぞご期待ください!


川井有紗『 宝物を見つけて首飾りをつくる 』参加者募集のお知らせ

4月に入り、月末の展示に向けて色んなお知らせを初めて行きたいと思います。本日は4月29日(金・祝)より始まる、企画展『はなとオブジェ』の初日に行うワークショップについてお知らせいたします。

京都にお住まいの川井有紗さんは、植物そのものを素材としたジュエリーやアクセサリー、オブジェ等を制作されている方です。今回は素敵な周波数を放つ有紗さんとのご縁から「はなとオブジェ」の展示にピッタリなワークショップを開いていただける運びとなりました。

有紗さんの言葉によるワークショップのお知らせと美しいサンプル作品をご紹介します↓
(上の写真は綺麗な発色の海藻を首飾りに仕立てたもの。ふんわりと編まれた紐と植物、
そして二つを繋ぎ合わせるはかなげな結び目。その全てがため息が出る程に美しいのです。)

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

「ARAHABAKIさん周辺の海や山に自然の恵を探しに出かけます。

よくよく観察して、自分だけのお気に入りを見つける事がポイントです。

普段なにげなく存在するものが、よくよく観察する事で、

とても美しく、心穏やかにしてくれるものなんだと気づく事のできるネックレスを、
皆さんで楽しみながら作りましょう。

見つけてきたら、後は素材ををネックレスのひもに結びつけて完成です。

誰にでも簡単に作る事ができると思います。

自分だけの宝物になるネックレスになるといいなと思います。」

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


集合場所はARAHABAKIのお約束、京急バスの真名瀬(しんなせ)停留所です!

(山の裾野では、こんな枝ものも見つけられますね。)

(浜辺では波で洗い出されたガラス石もいいですね。ブルーの紐に結んで爽やかに。)


(ちょっとドライになった花びらも素敵な首飾りに変身します。)


(乾燥した海藻の根っこ。きれいです。)

うららかな春の陽気の下、お散歩気分で思い思いの宝物を見つけてください。
この集いに参加される皆さんの心が、どうか晴れやかになりますように。
私たちも楽しんで参加します!

川井有紗『 宝物を見つけて首飾りをつくる 』
詳細とお申し込み受付はこちらのページのフォームよりお願いいたします。
皆さまのご応募をお待ちしております!