成瀬彩さんの工房へ

本日は4月末より始まる展示「はなとオブジェ」にも参加頂いている、成瀬彩さんの工房兼お住まいにお邪魔した時のお話です。
最近まであらはばきより車で30分程のご近所さんでしたが、テント内での作品作り(!)が難しく、下町風情が残る東京の大森にお引っ越しされました。周りには町工場が点在し、懐かしいバッティングセンターに銭湯、往来するおじいちゃんや小学生。時間があれば撮影散歩をしたかったですが、さっそく成瀬さんの工房へ。


到着して笑顔で迎えてくれた、成瀬さん。雰囲気も自然体で素敵な方。
今回は会えなく残念でしたが、同じく木工をしていた旦那さんも、とても笑顔が素敵。
やっぱり夫婦は年を重ねると似てくるのかなあ。
ちょっと作業風景を撮らせてもらいました。かわって、凛々しい横顔。


愛猫ジョゼさんも登場。
カツオブシの違いが判る、5才、男盛り。
成瀬家では3匹居候中のようです。


絵になる作業台。和三盆の木型のような壁掛けを作成中。
小振りながらも、使い勝手のよい広さで、作業が捗りそうな工房。材や道具がいっぱい。


何故か?逆さにつった小さなロッキングチェア。とても丁寧な造り。


ふとん叩きもありました。なるほど〜このように作っていたのですね。
お客さんの意見も取り入れ、何回も改良を重ねているそうです。

いちごとお茶をごちそうになりながら、成瀬さんの作品について、あれこれお話。
現在、食に関する作品と、オブジェと花器を制作中とのこと。
ちらりと見せてもらった木鉢、素敵でした。うつわ、今後の展開を期待していますね。
4月末に届く成瀬さんの「はなとオブジェ」をちょこっとご紹介。


まずは、小振りなブローチ。
定番品よりも小さく、サイズ的に使いやすそう。ぜひ胸元に。
躍動感のある走るウサギ、意外に珍しいかも。
赤茶色の作品は、漆にマコモ(ハナガツミ)を練り込んだものを塗っているそうです。


つぎは、手のひらサイズの小さな花入れ。
サイズといい、質感としのぎのラインといい、種っぽいというか、多肉植物っぽい。
植物に草花を入れるようで、おもしろくなりそう。


制作過程はこんな感じ。


最後に、今回の企画展のテーマに、ピッタリな作品。
中性的で、なんともユーモラスな体型の人物。小ビンを抱えています。
一輪挿しにしたり。小ビンを外して草花を集めて差したり。いろいろ楽しめそう。
私たちが「成瀬さんの作品がいいなあ!」と思ったのは、人形のオブジェからでした。
なので、個人的に欲しいと感じる、思い通りな出来映えでとても嬉しい。


制作前のスケッチも良い感じ。


この小顔と佇まい、いいでしょ。成瀬さんにしか作れません。
単身飛騨へ向かい修行する以前。美大に進むべきか迷っていた時の感覚の名残りでしょうか。
いえいえ。作品に手でふれて、形とのみ跡を指でなぞってみると、
優しさときりりと澄んだ造形感覚が垣間みられ、テクニックではない、もって生まれたものだと感じます。
ぜひぜひ展示中は、見るだけではなく手に取り、成瀬さんの人柄と所懐を作品から感じとってみてください。

最後に。展示期間中は、成瀬彩さんの定番商品も常設スペースにてご紹介しています。
箸、箸置き、小箱、布団たたきなど。あわせてお楽しみに。


2011 年 4 月 17 日 | 作家探訪の旅 | ツイートする