横内みえさんの「はなとオブジェ」

気づけば、もう今週の4月29日(金・祝)より始まる企画展「はなとオブジェ」。まだ準備が出来てない。。。でも、参加作家さんはじっくりとご紹介しますね。これも楽しみのひとつなのです。

本日は、現在北海道にて制作をされている、漆作家の横内みえさんの作品をご紹介いたします。
お会いしに行くのが楽しみでしたが、今回は北海道に行けず(スキーしたかったなあ)。。。が、横内さんは作家活動を関東圏内に移される予定で、5月にパートナーと一緒に山梨へ!ぜひぜひ遊びに伺いますね。畑仕事をしつつ(みえさんもしますよね?)作品作り。自然との共生の中で生まれるもの、期待しています。

横内さんの作品との出会いは曖昧なものでした。以前、金沢21世紀美術館に遊びに行った時に、偶然みた作品がきっかけだと思う。金沢卯辰山工芸工房の関連展示がしており、その中になんとも丹精な造りで、小さな種がちりばめられた様なディスプレイのオブジェ達に目が釘付け。ぐっと惹かれました。以下のような作品達だった。

しかし、その展示のパンフをもらい忘れ、作家のお名前を失念。いつも通りにやらかしてしまいました。。。でも縁があったのでしょう。北海道の木工作家さんを調べているとき、偶然に発見!

ついに、心をつかまれた作品を、手のひらにのせることが出来ました。人生何があるか分かりませんね〜。

質感、色、大きさ、どれとして同じ物がありません。微妙に穴が上に向いていたり、完全にそっぽを向くように横に倒れていたり。乾漆で作られた、とても自由なかたち。何個か転がしてみると、人の手で作られたものなのに、自然の中にある落ち物の植物のような、違和感のない佇まい。でも何か不思議。
中に土を少し入れてみて、発芽したばかりの小さな命を入れてみたいかな。

横内さん、種の作品だけでもお腹いっぱいな感じですが、いろいろ作品を送ってくださいました。
次は、涙ような雫のかたちをした花器?オブジェ?。朴に漆を施したもの。曲線が微妙に違い、それぞれに個性があります。

口は小さくとても繊細。水入れが難しいので、面白い小枝などドライフラワー向けに。

こちらは、乾漆で作られた小振りな花入れ。色々なかたちと柄がございます。
お気に入りの場所へオブジェのように置いたり、水の入れ替えもしやすいので、季節ごとにいろいろな草花を楽しんでいただければ。

繊細で味わい深い、側面の装飾。こちらの作品は、卵の殻などが使われています。上部には繊細なラインが入っており、全体的なフォルムとあわさりモダンな雰囲気。

最後に、やや大振りな花入れ。ぱっと見た感じ、土ものっぽいのですが持ってみると軽くて、こちらも不思議な感じ。材はトチを使っています。

内側は、しっかりと漆が塗ってあります。渋く赤い口もと、上部は使い古された鉄のような、側面はクレヨン描きのような。

感性と技術のみでかたちを作り出すのではなく、何か命が吹き込まれているような、生命感溢れる雰囲気のある作品を生み出す、横内さん。ぜひ、展示期間中はじっくりと作品に触れてみてくださいね。

また、今回ご紹介した作品以外にも、追加で作品が届く予定なので、そちらもお楽しみに。


2011 年 4 月 24 日 | ARAHABAKI 通信 | ツイートする